外構パースとは、門扉や駐車場、アプローチ、植栽といった建物の周囲をCGで描いた画像のことです。エクステリアパースと呼ばれることもあります。建物そのものではなく、敷地の中で建物以外の部分をどう仕上げるかを確認するために使われます。

外構は、建物の契約が終わった後で検討が始まることが多い部分です。図面と見積書だけで決めてしまい、完成後に「思っていたより駐車場が狭い」「植栽が建物に合わない」と感じる方は少なくありません。外構パースは、こうした行き違いを工事の前に防ぐための資料です。

この記事では、外構パースの基本、外観パースとの違い、役立つ場面、依頼前に用意しておきたい資料、費用と納期の目安を順にご説明します。住宅会社や外構業者のご担当者様はもちろん、ご自宅の外構を検討中の方にもお役に立てる内容です。

駐車場と植栽まで作り込んだ住宅の外構パース事例
駐車場と植栽まで作り込んだ住宅の外構パース事例

外構パースで表現できる範囲

外構パースが対象にするのは、敷地の中で建物を除いたすべての要素です。代表的なものを挙げると、次のようになります。

  • 門扉、門柱、ポスト、表札、インターホン
  • 駐車場、カーポート、駐輪スペース
  • アプローチの舗装、階段、スロープ、手すり
  • フェンス、ブロック塀、生け垣などの境界
  • シンボルツリー、低木、芝生、花壇などの植栽
  • ウッドデッキ、テラス、物置、立水栓
  • ポールライトや足元灯などの屋外照明

これらを平面の外構図だけで理解するのは、慣れていない方には難しいものです。外構パースでは、人の目の高さから見た景色として確認できるため、素材の色や高さの関係、歩いたときの印象まで把握しやすくなります。

外構パースと外観パースの違い

外観パースと外構パースは、どちらも建物を外から見た画像です。ただし、何を確認するための画像かという点で役割が分かれます。主な違いを表にまとめました。

項目外観パース外構パース
確認したいもの建物の形、外壁材、窓の配置門まわり、駐車場、植栽、庭の仕上がり
画面の中心建物本体敷地全体と建物のつながり
視点の高さ建物全体が入る引きの構図が中心歩行者の目線や上空からの俯瞰も使う
主な依頼者設計事務所、ハウスメーカー、不動産会社外構業者、エクステリア専門店、住宅会社
必要な資料平面図、立面図、仕上げ表外構平面図、配置図、使用する商品の品番

実際の制作では、外観パースの中に外構まで作り込むご依頼が最も多く、両者を厳密に分けないケースがほとんどです。建物と外構を一枚の画像で見ることで、外壁と門柱の色の相性や、植栽の高さと窓の位置関係を同時に確認できます。

外観パースと内観パースの使い分けについては、「外観パースと内観パースの違い」で詳しくご紹介しています。

建物と庭、プールを一枚で確認できる外観パースの完成イメージ
建物と庭、プールを一枚で確認できる外観パースの完成イメージ

外構パースが役立つ場面

注文住宅の外構打ち合わせ

注文住宅では、建物の仕様が固まった後に外構の打ち合わせが始まります。予算が限られる中で、門柱にかけるのか、アプローチにかけるのか、植栽を増やすのかという優先順位を決めなければなりません。外構パースがあれば、施主様は完成後の景色を見ながら判断できるため、打ち合わせの回数が減り、決定後の変更も起きにくくなります。

外構業者やエクステリア専門店の提案資料

同じ金額の見積もりでも、平面図だけの提案と完成イメージが添えられた提案では、お客様の受け止め方が変わります。外構パースは、工事内容の価値を目で見て理解していただくための資料として機能します。複数のプランを比較して提示したい場合にも向いています。

分譲地や建売住宅の販売資料

分譲地では、区画ごとの外構計画を含めた街並みのパースが販売資料に使われます。道路からの見え方、隣地との境界、共用の植栽計画を一枚で示すことで、購入を検討する方が暮らしの様子を想像しやすくなります。

既存住宅のリフォームやリガーデン

今ある庭を作り替える場合は、現況写真をもとにCGを作成し、工事前と工事後を並べて確認する方法が有効です。建物は現状のまま残し、外構部分だけを新しく描くことで、費用を抑えながら完成後の姿を共有できます。

道路からの車の動線と駐車場の配置を俯瞰で確認した外構パース
道路からの車の動線と駐車場の配置を俯瞰で確認した外構パース

外構パースで確認しておきたいポイント

外構パースは、きれいな画像を作ることだけが目的ではありません。工事の前に気づいておきたい点を確認する道具として使うと、より価値が高まります。制作の現場でよくお客様と一緒に確認しているのは次の点です。

  • 車の出し入れ。前面道路の幅と駐車スペースの関係を、実際の車のサイズで確認します。
  • 玄関までの動線。雨の日に傘を差して歩けるか、ベビーカーや車いすが通れるかを見ます。
  • 道路からの視線。リビングの窓がどこまで見えるか、フェンスや植栽でどの程度隠せるかを確認します。
  • 植栽が育った後の姿。植えた直後ではなく、数年後の大きさで表現してもらうと、隣地への越境や日当たりの変化に気づけます。
  • 建物との色合わせ。外壁、屋根、門柱、舗装材の色を一枚の中で見比べます。
  • 夜の見え方。屋外照明の位置と明るさを夕景や夜景のカットで確認すると、防犯面と雰囲気の両方を検討できます。
屋外照明の位置と明るさを検討した夕景のエクステリアCG
屋外照明の位置と明るさを検討した夕景のエクステリアCG

依頼前に用意しておきたい資料

資料が揃っているほど、最初の提出画像がご希望に近づき、修正の回数も減ります。外構パースの制作で特に重要なのは次の資料です。

  • 外構平面図。門扉や駐車場、植栽の位置と寸法が入ったもの。
  • 配置図と敷地図。道路との高低差や隣地との境界がわかるもの。
  • 建物の外観データ。立面図や外観パース、すでにCGがあればそのデータ。
  • 使用予定の商品情報。門扉、フェンス、舗装材などのメーカー名と品番、またはカタログ画像。
  • 植栽の希望。樹種の指定があれば名前を、なければ「常緑で手入れが少ないもの」といった方向性を。
  • 見せたい時間帯と視点。昼か夕景か、道路側から見るのか玄関側から見るのか。

建築パース全般で必要になる図面の考え方は、「建築パースの依頼に必要な図面・資料一覧」で詳しくまとめています。

外構パースの費用と納期の目安

外構パースの費用は、外観パースと同時に依頼するか、単体で依頼するかで大きく変わります。外観パースの制作時に外構と植栽まで含めていただく場合、当社では1カット分の料金の中で対応することがほとんどです。建物のモデルを共用できるため、別々に依頼するよりも総額を抑えられます。

当社の料金は、1カットあたりGrade Bが40,000円から、Grade Aが60,000円から、Grade Sが100,000円からとなっており、標準的な納期はそれぞれ5日、7日、14日です。住宅の外構であればGrade Bまたは Grade A、分譲地の街並みや広告用の夕景であればGrade Aまたは Grade Sをおすすめしています。詳しくは料金ページをご覧ください。

既存の外観パースに後から外構だけを追加する場合や、建物を写真合成で表現する場合は、資料の状態によって作業量が変わります。お見積もりの際に内容をお伺いしたうえで、個別にご提示しています。

ウッドデッキとテラスの使い方を確認できる庭のCGイメージ
ウッドデッキとテラスの使い方を確認できる庭のCGイメージ

Basic9studioの外構パース制作について

Basic9studioは福岡市中央区に拠点を置き、日本とベトナムの2拠点体制で建築パースを制作しています。スタッフは建築やデザインの教育を受けたメンバーで構成されており、外構図を読み取ったうえでモデリングを行います。日本の住宅街になじむ植栽の表現や、夕景の屋外照明の表現を得意としています。そのほかのサービスはサービス一覧にまとめています。

外観パースのご依頼では、外構と植栽を含めた制作を標準としています。フェンスの高さ違いや舗装材違いといった比較パターンの制作にも対応しています。制作事例とサービス内容は、外観パース制作サービスのページでご確認いただけます。

よくあるご質問

外構だけのパースを依頼できますか

ご依頼いただけます。建物は現況写真の合成や簡易なモデルで表現し、外構部分を中心に作り込む方法があります。既存住宅のリガーデンや、建物のCGがすでにある案件に向いています。

植栽の樹種まで指定できますか

指定できます。シマトネリコやアオダモ、オリーブなど、日本の住宅でよく使われる樹種は見分けがつく形で表現します。ご指定がない場合は、建物の雰囲気に合わせてこちらで選定し、事前にご確認いただきます。

外構図がまだない段階でも依頼できますか

敷地図とご要望をいただければ、プラン提案を兼ねたパースを作成することは可能です。ただし、寸法が確定していない状態では後から修正が発生しやすいため、可能な範囲で配置と寸法を決めてからのご依頼をおすすめしています。

夜景の外構パースにはどんな資料が必要ですか

照明器具の位置と種類がわかる図面、または使用予定の器具の品番があれば十分です。色温度のご希望があれば、あわせてお知らせください。資料がない場合は、一般的な配灯計画をこちらで提案したうえで制作します。

まとめ

外構パースは、門まわりから庭までの仕上がりを工事の前に確認するための画像です。外観パースが建物を確認する資料であるのに対し、外構パースは敷地全体と暮らしの動線を確認する資料と考えていただくとわかりやすいと思います。

外観パースをご検討の際は、外構と植栽まで含めたご依頼をおすすめします。一枚の画像で建物と敷地の両方を確認できるため、施主様との合意形成が進みやすく、費用面でも無駄がありません。外構図や敷地の情報をお送りいただければ、内容に応じたお見積もりをご案内いたします。ご相談はお問い合わせフォームからお送りください。