パースを頼みたい。でも、何を渡せばいいのかわからない。図面はどこまで必要なのか、CADデータがないとだめなのか。初めて外注する方から、毎月のようにいただく質問です。

結論を先に言うと、必須なのは平面図、立面図、配置図の3点です。ここに仕上げ表と参考イメージが加われば、制作側は迷いなく作業に入れます。逆にこれらが欠けたまま走り出すと、ヒアリングの往復で数日を失い、初稿のズレも大きくなります。

この記事では、建築パース 依頼 必要資料を優先度つきの一覧にして、それぞれ何に使われるのか、揃わないときはどうするのかまで、制作の現場からお話しします。

建築パース 依頼 必要資料の全体像

資料優先度何に使うか
平面図必須間取りと寸法の把握。モデリングの土台
立面図必須高さ、開口部、外壁の割り付け
配置図必須敷地と建物の関係、隣地、道路、方位
仕上げ表強く推奨外壁、屋根、床、壁の素材と色の指定
参考イメージ強く推奨目指す雰囲気の共有。初稿の精度が大きく変わる
断面図あれば良い天井高や吹き抜けの正確な再現
外構図あれば良い駐車場、門扉、植栽の配置
照明計画内観と夜景で推奨光源の位置と色温度
CADや3Dデータ File CAD, 3Dあれば納期短縮モデリング時間の圧縮

必須の図面3点。これだけは揃えてほしい理由

平面図がないと、そもそも空間の形が決められません。立面図がないと、高さと開口部を推測で作ることになります。配置図がないと、建物をどの向きで、どんな周辺の中に置けばいいのかがわかりません。

推測で作った初稿は、当然ズレます。そしてそのズレの修正は、モデルの根本に手を入れる作業になるので、色味の調整とは比べものにならない時間がかかります。最初に図面3点を渡すことは、結局いちばんの時短です。

手描きやPDFしかない場合

問題ありません。寸法が読み取れれば、手描きの図面やPDFスキャンからでも制作できます。実際、リフォーム案件や古い物件では手描き図面からのご依頼も珍しくありません。ただしCADデータがある場合と比べて、モデリングに時間が多めにかかることはご了承ください。

あると仕上がりが良くなる資料

仕上げ表。色と素材の迷いをなくす

外壁は何色のサイディングか。屋根はガルバリウムか瓦か。床は無垢材か複合フローリングか。仕上げ表があれば、制作側はメーカーの品番から実際の色と質感を再現できます。「白っぽい壁」という指示と「ニチハのモエンエクセラード、ホワイト系」という指定では、初稿の精度がまったく違います。

参考イメージ。言葉より一枚の画像

目指す雰囲気に近い写真やパース事例を2、3枚。これだけで「イメージと違う」という手戻りが目に見えて減ります。明るく爽やかにしたいのか、落ち着いた高級感なのか。昼景か夕景か。言葉で伝わりにくいものほど、画像で渡してください。

家具と小物のリスト。内観パースの生活感を決める

内観パースの説得力は、家具と小物で決まると言ってもいいくらいです。実際に置く予定の家具があるならメーカーと品番を。決まっていなければ、雰囲気だけ伝えていただければ、こちらでスタイルに合わせてコーディネートします。

仕上げ表と素材指定が揃った案件の内観パース。色と質感の再現度が上がる
仕上げ表と素材指定が揃った案件の内観パース。色と質感の再現度が上がる

CADデータと3Dデータの形式

受け取れる形式は制作会社によって違いますが、一般的なところをまとめておきます。

  • 2次元CAD。DWG、DXF、JWWが定番です。日本の工務店はJW CADのデータも多く、当社もそのまま受け取れます。
  • 3Dデータ。SketchUp、ARCHICAD、Revitなど。設計段階の3Dモデルがあれば、モデリング工程を大幅に短縮できます。
  • PDFと画像。CADがなくても、寸法入りのPDFで十分制作できます。

データ形式で迷ったら、今あるものをそのまま見せていただくのが早いです。「この資料でできますか」という聞き方で構いません。

資料が揃っていないときの進め方

設計の初期段階で、まだ図面が固まっていない。それでもパースが必要になる場面はあります。コンペの提案、ラフな検討、施主への初回プレゼン。

その場合は、ある資料とヒアリングで補いながら進めます。間取りのスケッチと敷地の情報、参考イメージがあれば、検討用のパースは作れます。ただし後から図面が確定して形が変わると、モデルの作り直しが発生します。どの段階の絵として使うのかを最初に共有しておくと、無駄がありません。

資料の送り方で差がつく3つのコツ

  • フォルダを分けて渡す。図面、仕上げ、参考イメージ。この3つに分かれているだけで、確認の抜けが減ります。
  • 最新版だけを送る。旧版が混ざると、どちらが正か確認する往復が発生します。版が更新されたら「差し替えです」と一言添えてください。
  • 機密の扱いを先に決める。竣工前の物件情報は外部に出せないことが多いはずです。秘密保持の取り決めは、資料を送る前に済ませておくと安心です。
平面図と参考イメージから制作したリビングの内観パース
平面図と参考イメージから制作したリビングの内観パース

Basic9studioに依頼する場合

当社のスタッフは建築とデザインの教育を受けたメンバーで、図面を読める人間が直接モデリングを担当します。だから資料が多少不完全でも、質問は要点だけに絞られます。JW CADのデータも、手描き図面のスキャンも、そのままお送りください。

お見積もりの段階で、いただいた資料を確認して「これで足ります」「この2点だけ追加でください」と具体的にお返しします。資料の準備に迷ったら、先に相談していただくのがいちばん早いです。サービスの詳細は建築パース制作サービスのページにまとめています。

よくあるご質問

CADデータがなくても依頼できますか

できます。寸法が読み取れる図面であれば、PDFでも手描きでも制作可能です。CADデータがある場合と比べてモデリングに時間がかかるぶん、納期には少し余裕を見てください。

資料はどの段階で送ればいいですか

お見積もりの段階で一式いただけるのが理想です。資料を見れば工数が正確に読めるので、見積もりの精度も納期の確度も上がります。

参考イメージは他社の事例でもいいですか

雰囲気の共有が目的なので問題ありません。あくまで方向性の参考として使い、そのまま複製することはありません。

追加で資料を求められるのはどんなときですか

多いのは、立面図と仕上げ表が欠けているケースです。高さ関係と素材はパースの印象を大きく左右するので、この2点は推測で進めず必ず確認しています。

まとめ。資料の準備は、最強の納期短縮策

建築パースの依頼に必要な資料は、必須が平面図、立面図、配置図の3点。そこに仕上げ表と参考イメージを足せば、制作は一気にスムーズになります。資料の充実は、仕上がりの精度と納期の両方に直結します。実際にどれくらい納期が変わるのかは「建築パースの納期はどれくらい?」で詳しく書いています。

外注そのものが初めてで、会社の選び方から知りたい方は「建築パース外注ガイド」からどうぞ。手元の資料で足りるかどうか、判断がつかないときは、そのままの状態で一度お見せください。何が必要かをこちらから具体的にお伝えします。

建築パースの依頼に必要な資料を揃えて制作した飲食店の内観事例
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