「このパース、いつまでにできますか」。見積もりのご相談で、費用と同じくらい多くいただく質問です。プレゼンの日程が先に決まっている案件では、答えを聞くまで発注に踏み切れないという方も多いと思います。
先に答えをお伝えします。静止画の建築パースなら5から15営業日、アニメーションやVRなら3から6週間。これが業界の標準的な目安です。ただしこの数字は、図面と資料が揃っている前提の話です。実際の納期は、依頼する側の準備でかなり変わります。
この記事では、建築パース 納期の目安を種類別に整理したうえで、納期が決まる要素と、依頼側の工夫で納期を縮める方法を、日々スケジュールを組んでいる制作会社の立場からお話しします。

建築パースの納期の目安を種類別に見る
まず全体像です。下の表は、図面と資料が揃った状態で発注いただいた場合の標準的な納期です。修正1、2回分を含んでいます。
| 種類 | 納期の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 外観パース。戸建て住宅 | 5から10営業日 | 1、2カットの標準品質 |
| 外観パース。マンションや商業ビル | 10から15営業日 | 周辺環境の作り込み量で変わる |
| 内観パース | 5から10営業日 | 素材と家具の指定が明確な場合 |
| フォトリアル重視の高品質パース | 10から20営業日 | 光と質感の検証に時間をかける |
| 建築アニメーション動画 | 3から6週間 | 尺とカット数で変わる |
| VR360パース Pers VR360 | 2から4週間 | 視点の数で変わる |
同じ「建築パース」でも、種類によって納期は倍以上違います。用途と期日から逆算して、どの種類をどの品質で頼むかを決めるのが、スケジュール管理の第一歩です。

戸建て住宅の外観パースがいちばん速い理由
戸建ての外観は、モデリングの対象が建物ひとつで、敷地も限られています。CADデータと立面図があれば、モデリングからレンダリングまで5営業日前後で初稿をお出しできる案件が多いです。修正を含めても2週間以内に収まるのが普通です。
マンションや商業施設は環境の作り込みに時間がかかる
大規模案件で時間を使うのは、実は建物本体より周辺です。街並み、植栽、人、車。広告に使うパースほど、この環境表現の密度が求められます。さらに竣工前販売に使う画像は社内確認や広告審査も厳格ですから、確認の往復も含めて10から15営業日を見ておくと安全です。
動画とVRは工程が増える
アニメーションは静止画の工程に加えて、カメラワークの設計、動きの調整、編集、音入れが入ります。3から6週間かかるのはこのためです。VR360は視点の数がそのまま工数になります。モデルルームの代わりに導入するなら、公開日の1か月以上前の発注をおすすめします。
建築パース 納期を左右する5つの要素
同じ種類のパースでも、案件ごとに納期は違います。私たちが見積もりのときに確認しているのは、次の5点です。
1. 図面と資料がどこまで揃っているか
いちばん影響が大きい要素です。平面図、立面図、配置図に加えて、仕上げ表や参考イメージまで揃っていれば、確認の往復なしで作業に入れます。資料が足りないと、ヒアリングのやり取りだけで数日が消えます。何を用意すればいいかは、別記事の「建築パースの依頼に必要な図面・資料一覧」にまとめています。
2. どこまでの品質を求めるか
社内検討用のラフと、駅貼りポスターに使うフォトリアルでは、かける時間がまるで違います。光の検証、質感の追い込み、小物の配置。品質を上げる作業は時間と引き換えです。用途に対して過剰な品質を頼むと、費用も納期も無駄に膨らみます。
3. 確認と修正のスピード
見落とされがちですが、納期の実質は「お客様の確認スピード」で決まります。初稿への返事が3日遅れれば、納品も3日遅れます。修正のたびにレンダリングをやり直すので、回数が増えるほど後ろにずれていきます。
4. カット数
カットが増えれば作業も増えます。ただ、同じモデルから別アングルを書き出す場合、2カット目からは効率が上がります。だから追加は後からバラバラに頼むより、最初にまとめて発注したほうが総納期は短くなります。
5. 時期
日本の建築業界は年度末に竣工が集中します(国土交通省の建築着工統計調査報告で時系列の推移が公開されています)。1月から3月はどの制作会社も混み合い、通常より1週間以上長くかかることもあります。この時期の案件は、とにかく早めにご相談ください。
納期を縮めるためにできること
納期は制作会社の作業スピードだけでは決まりません。発注側の準備で縮められる部分が、思っているより大きいです。
- 資料は最初に一式で渡す。平面図、立面図、配置図、仕上げ表。CADデータがあればモデリングはさらに速くなります。
- 参考イメージを2、3枚添える。「こんな雰囲気」が伝われば初稿の精度が上がり、修正が減ります。色味や時間帯の希望は、言葉よりも画像で。
- フィードバックは1回にまとめる。社内の意見を集約してから返す。指示は「もう少し明るく」ではなく「外壁をワントーン明るいベージュに」と具体的に。
- 使用日から逆算して発注する。静止画は3週間以上前、動画は2か月以上前が理想です。

急ぎの案件はどうするか
「来週の役員会までにどうしても1枚必要」。そんなご相談は珍しくありません。打てる手はいくつかあります。
ひとつは特急対応です。優先枠を使うぶん、料金は通常の2割から5割増しが相場です。もうひとつは段階納品。先に構図確認用のラフを受け取り、会議にはラフを使って、完成版は後日納品してもらう方法です。社内検討ならラフで足りる場面は多いです。カットを絞って、勝負の1枚だけ高品質に仕上げるという配分も効きます。
なお、Basic9studioは日本とベトナムの2拠点で制作しているため、ゴールデンウィークやお盆、年末年始といった日本の長期休暇中も制作ラインが止まりません。休暇明け納品の案件では、この体制が実質的な納期短縮になっています。
Basic9studioの納期の考え方
私たちは福岡に拠点を置き、日本の設計事務所や住宅会社、不動産会社のパースを制作してきました。スタッフは建築とデザインの教育を受けたメンバーで構成されていて、図面を読める人間がモデリングを担当します。図面の読み違いによる手戻りが少ないことが、結果として納期の安定につながっています。
お見積もりの際は、初稿までの日数と、修正込みの納品日を分けてご提示しています。「思っていたより遅い」が起きないよう、条件は発注前にすべて書面でお渡しします。サービス内容と事例は建築パース制作サービスのページをご覧ください。

よくあるご質問
最短でどれくらいでできますか
資料が揃った戸建て外観1カットなら、特急対応で3から5営業日が現実的な最短です。ただし品質検証の時間が短くなるため、重要な広告用途では通常納期をおすすめしています。
修正の時間は納期に含まれますか
会社によって違います。「初稿まで何営業日」なのか「修正2回込みで何営業日」なのか、見積もりの段階で必ず確認してください。当社は両方を分けて明示しています。
土日や祝日はカウントされますか
納期は営業日で数えるのが一般的です。10営業日ならおよそ2週間と読み替えてください。当社はベトナム拠点が日本の祝日にも稼働しているため、カレンダー上の納期は短くなる傾向があります。
急ぎだと料金は上がりますか
特急は2割から5割増しが業界の相場です。ただ、資料が完璧で修正が少ない見込みの案件なら、割増なしで前倒しできることもあります。まずは期日をお聞かせください。
まとめ。納期は準備で変えられる
建築パースの納期は、静止画で5から15営業日、動画とVRで3から6週間が目安です。そしてこの数字は固定ではありません。資料を一式で渡す、参考イメージを添える、フィードバックをまとめる。発注側のこの3つだけで、納期は目に見えて縮まります。
制作の中で何にどれだけ時間がかかっているかを知りたい方は、工程を分解した「建築パース制作の流れを7ステップで解説」もあわせてどうぞ。依頼先の選び方は「建築パース外注ガイド」にまとめています。
期日が迫っている案件も、まずは用途と締め切りをお聞かせください。品質を落とさずに間に合わせる組み立てを、一緒に考えます。

