商業施設映像のストーリーテリングで、テナント誘致率を高める方法

商業施設のテナント誘致に携わったことのある方なら、一度はこんなもどかしさを味わったことがあるのではないでしょうか。立地も設備も申し分ない。完成予想図だって、きちんと用意した。それなのに、テナント候補の反応は、どこか他人事のよう。「持ち帰って検討します」と言われたきり、返事が来ない——。

もしかするとその原因は、施設の魅力が足りないからではなく、「魅力の伝え方」にあるのかもしれません。もっと言えば、テナントが本当に知りたいことに、こちらの映像がまだ答えられていないのです。そして、その”すれ違い”を解消してくれるのが、「ストーリーテリング」——施設を、スペックの説明ではなく、ひとつの”物語”として見せるという手法です。

今回はBasic9studioと一緒に、なぜストーリーテリングがテナントの心を動かすのか、そして誘致率を確かに高める映像はどうつくればいいのかを、じっくりひもといていきましょう。

テナントが本当に見ているのは、「自分の店が成功する未来」

話を進める前に、ぜひ心に留めておきたい大前提があります。それは、出店を検討しているテナントが映像を通して本当に見たいのは、「立派な建物」ではない、ということです。

彼らの頭の中を占めているのは、突き詰めれば、たったひとつの問いです。「この場所で、うちの店は、ちゃんと儲かるのだろうか?」——。もちろん、天井の高さや内装のグレードも気になります。でも、それ以上に切実なのは、「ここにお客さんは集まるのか」「自分の店に、人は入ってくれるのか」という一点なのです。

ところが、世の中の施設紹介映像の多くは、建物の美しさや設備の充実ぶりを見せることに一生懸命で、この肝心の問いには、正面から答えていません。がらんとした、いくらきれいな空間を見せられても、テナントは、そこで商売する自分の姿を思い描けない。だから、決めきれないのです。この”答えられていない問い”にこそ、ストーリーテリングが効いてくる理由があります。

商業施設映像 ストーリーテリングのイメージ
[画像:テナントが見たいのは建物ではなく、「自分の店が成功する未来」]

なぜ「ストーリーテリング」が、テナントの心を動かすのか

少し、ご自身のことを振り返ってみてください。私たちが何かを「いいな」「欲しいな」と本気で感じるとき、その心を動かしたのは、たいてい”データ”ではなく”物語”だったのではないでしょうか。商品のスペック表よりも、それを使って幸せそうに笑っている人の一場面。そういう情景にこそ、人の心はふっと動かされるものです。

テナントも、同じ人間です。どれだけ立派な数字を並べられても、頭で「なるほど」と思うことと、心が「ここに決めた」と動くことは、まったくの別物。彼らの心を本当に動かすのは、”この施設で、自分の店が生き生きと商売をしている未来の物語”なのです。では、その物語は、具体的にどんなふうにテナントの背中を押すのでしょうか。3つの角度から、のぞいてみましょう。

「集客できる」という安心を、物語で届けられる

ちょっと、これから出店しようとしている人の立場になってみてください。その人が一番不安に思うこと、夜も眠れないほど気にすること——それは、難しい話ではなく、ただ「ここに、お客さんは来てくれるのかな?」の一点なんです。だって、どんなにお店をきれいに整えても、どんなにいい商品を揃えても、そもそも表を人が通らなければ、商売は成り立たない。それが痛いほどわかっているからです。とても人間らしい、リアルな恐れですよね。

そこで力を貸してくれるのが、物語です。「一日〇万人来場見込み」——そんな数字を渡されても、正直、あまりピンときません。それよりも、施設のいきいきとした一日を見せてあげるのです。休日の朝に開店を待つ行列、お昼に家族連れでにぎわうフードコート、夕方に仕事帰りで立ち寄る人、夜に灯りの下を歩くカップル。そこまで見せられると、その人の心に自然と「あ、ここは本当にお客さんが来るんだ」という実感が湧いてきます。この納得は、理屈からではなく、気持ちから生まれるもの。そして「ここなら集客できる」と安心できて初めて、最初の一歩を踏み出す勇気が湧いてくるのです。

テナント自身を、物語の”主役”に変えられる

いい物語には、あまり意識されない、もうひとつの隠れた力があります。それは、見ている人をそっと物語の中に引き込んで、いつの間にか”主人公”に変えてしまうことです。

こんなふうに想像してみてください。映像の中で、あるお店にお客さんが入っていき、商品を手に取り、笑顔で会計をして帰っていく。ただの何気ない一場面です。でも、それを見た瞬間、出店を考えている人の頭には、ふと「あれが、うちの店だったら…」という思いがよぎるのです。そして、勝手に想像がふくらんでいく。自分の店の前を人がひっきりなしに行き交い、お客さんが次々と入ってきて、レジにはいつも人が並んでいる——。その光景がありありと浮かんだとき、施設はもう「他人の建物」ではなくなります。自分の商売が花開く、大切な場所に変わるのです。この「あ、これは自分の話だ」と感じる瞬間こそが、決断へと背中を押してくれる。建物をきれいに見せるだけの映像では、決して生まれないものです。

商業施設映像 ストーリーテリングでテナントの心を動かす
[画像:物語がテナントを”主役”に変え、自分の店の成功を思い描かせる]

施設の”世界観”を体感させ、ブランドとの相性を確信させられる

もうひとつ、こだわりを持ったブランドがとくに気にすることがあります。「この施設の雰囲気って、うちに合うのかな?」——。小さなことのようで、実はとても大きな問題です。落ち着いた上品なカフェが、がやがやした空間の真ん中にあってはちぐはぐですし、気軽で親しみやすいお店が、かしこまった高級空間に置かれてもしっくりきません。施設の”空気”が自分たちと合わなければ、どんなに集客が見込めても、なかなか首を縦に振れないものなのです。

ところが、その”空気”や”雰囲気”は、図面や言葉ではうまく伝わりません。それを伝えられるのは、物語だけです。ここにどんな人が、どんな気持ちで訪れ、どんな時間を過ごすのか——それを見せることで、施設の”らしさ”がくっきりと浮かび上がります。見終わったとき、その人は「うん、この雰囲気なら、うちの店もきっと映えるな」と確信できる。そして一度「相性がいい」と信じられたら、その関係は一度きりでは終わりません。長く、安定して続いていくのです。

テナント誘致率を高める、ストーリーテリング映像のつくり方

「物語が大事なのはわかった。でも、いざ作るとなると難しそう…」——そう身構えてしまったかもしれませんね。でも、どうか安心してください。特別な魔法が必要なわけではありません。

大切なのは、たったひとつ、意識を切り替えること。「建物を説明する」のをやめて、「そこで生まれる未来を見せる」と考えるだけです。この視点さえ持てれば、あとは自然と、心に届く映像に近づいていきます。その具体的なコツを、いくつかご紹介しましょう。

  • 「誰が訪れる施設か」を具体的に描く:来場者の人物像(ペルソナ)をはっきりさせ、その人たちがそこでどんな時間を過ごすかを、物語として描きます。
  • 「一日の時間の流れ」で見せる:朝・昼・夕・夜と、時間帯ごとのにぎわいや表情の変化を描くことで、施設の一日をまるごと体感してもらいます。
  • テナント目線のカットを盛り込む:店舗の前を人が行き交う様子など、「これが自分の店だったら」と思わず想像してしまうアングルを、意識的に取り入れます。
  • 感情が動く瞬間を、丁寧に描く:スペックの羅列ではなく、「楽しそう」「行ってみたい」という感情が芽生える情景を、ひとつひとつ大切に描きます。

これらを意識するだけで、映像は”建物の説明書”から”未来を見せる物語”へと変わり、テナントの心にまっすぐ届くようになります。

Basic9studio – テナントの心を動かす物語を、映像で描くパートナー

スタジオアパートから大規模商業施設まで、Basic9studioは1,500件を超える建築ビジュアライゼーションを手がけてきました。その経験から私たちが大切にしているのは、「美しい映像は、リアルで、ちゃんと建てられて、そして人の心を動かせてこそ本当の価値がある」という考え方です。テナント誘致を成功へ導くために、私たちは映像の力でこうお支えします。

  • ストーリーテリング設計:「そこで過ごす一日」を軸に、テナントが思わず自分の店を重ねてしまう物語を組み立てます。
  • にぎわいをリアルに描く表現:人の流れや活気を丁寧に演出し、集客への不安を”安心”に変える映像に仕上げます。
  • 世界観が伝わる映像づくり:施設の空気感や時間の質感まで描き、テナントがブランドとの相性を確信できるようにします。

商業施設映像 ストーリーテリング活用事例
[画像:Basic9studio – テナント誘致を後押しするストーリーテリング映像のプロフェッショナル]
「テナント誘致を、もっとうまく進めたい」——そうお考えなら、ぜひ一度Basic9studioにご相談ください。あなたの施設の魅力を、テナントの心にまっすぐ届く”物語”として、一緒にかたちにしていきます。