
— 設計を“伝える”だけでは不十分。動かすための表現へ。
建築パースの役割とは何か。
「設計を分かりやすく伝えること」——よくそう言われます。
しかし、それは半分正解で、半分間違いです。
なぜなら、設計を「理解」してもらうだけでは、プロジェクトは前に進まないからです。
必要なのは理解ではなく、納得。説明ではなく、共感。
つまり、クライアントを“動かす”パースが求められています。
01. クライアントは“図面”では動かない
平面図や断面図を見て感動するクライアントはいません。
情報としては正確でも、感覚として理解できないからです。
どれくらい明るい空間なのか
材料の質感はどれほど感じられるのか
その場に立った時にどんな気持ちになるのか
こうした体験的な情報は、図面にはありません。
だからこそパースの役割は重要なのです。

ここが重要です。
建築パースのゴールは「説明」ではなく「意思決定」を促すこと。
03. クライアントを動かすパースの条件
それは美しさやリアルさ以上に、次の4つの力を持っています。
✅ 1. 目的が明確である(Purpose)
どんなメッセージを伝えたいのかがハッキリしている。
✅ 2. 光の設計がされている(Lighting)
光と影が空間のドラマをつくる。説得力のあるライティング。
✅ 3. 構図が建築的である(Composition)
視線誘導があり、伝えたい部分にフォーカスされている。
✅ 4. 空気感と物語性がある(Atmosphere)
温度・時間・素材の表情が伝わる。そこに“体験”がある。
04. クライアントは「理屈」ではなく「感覚」で動く
クライアントの意思決定を早めるものは、感覚的な納得です。
「この家に住みたいと思った」
「このレストランは人が集まる気がする」
「この提案にはイメージがある」
こうした言葉の裏には、優れたパースの存在があります。
05. Basic9studioのパース哲学
私たちはパースを単なるビジュアルとは考えていません。
パースは、建築を伝える“言語”であり、プロジェクトを前に進める“戦略”である。
そのために私たちが重視するのは:
✔ 設計意図 + 感情の翻訳
✔ 意思決定を促すライティング
✔ 明確なメッセージのある構図
✔ クライアントとの認識統一
結論
クライアントを動かすパースとは、情報ではなく価値を伝えるパースです。
ただ見せるだけではなく、決断につながる一枚を。
建築プレゼン・コンペ・実施設計前の合意形成などで
意思決定のスピードを高めるパースが必要な方はお気軽にご相談ください。
